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日本人理学療法士 カントーで技術奉仕

ひどい転倒で痛め、ずっと我慢していたグェントゥハットハインさんの痛みが1ヵ月の治療のうちに、見事になくなりました。日本から来た理学療法士の治療のおかげです。

日本人で29歳の若宮亜希子さんは、巧みに、優しく、61歳の老人が痛めた肩の力と可動域回復の手助けをしてくれました。

ハインさんはカントーのメコンデルタ市の出身で、転倒してから2ヵ月経って痛みが悪化し始め、カントー総合病院を訪れることにしたそうです。

病院の医師が処方箋を書いてくれ、ハインさんは痛みがなくなるまで毎日理学療法士に会うように言われました。

そこの理学療法・リハビリ部門で昨年の5月から勤務していた亜希子さんが、痛みの状態を尋ねるなどハインさんの初期評価を行いました。そして適正な治療法を選択してくれたのです。

日本国際協力機構の日本海外青年協力隊(JOCV)と呼ばれるプログラムで亜希子さんは働いています。JOVCは1965年から発展途上国で技術援助を行っています。

亜希子さんはハインさんに会う時はいつも気さくで、治療の間もハインさんが痛がっていないか常に気を配ります。

「彼女は本当に熱心に私の肩のけがを治療してくれました。」と、ハインさんは話しました。同僚の理学療法士、ハティミンチャウさんも、「亜希子さんは患者さんの傷や痛みの評価や正しい治療法の選択の経験が豊富です。」と話します。

例えば脊髄損傷の患者には、歩けるようになってから両腕と手の力を回復させるためにテーブルの上の物を持ち上げるようにアドバイスをしたそうです。

「そういった訓練は大学では習いましたが、亜希子さんがそこで働き始まるまで療法士たちは『気に留めていませんでした。』」

「私たちの意識に変化が訪れ、そういった訓練に注意が向くようになりました。」と、チャウさんは言いました。

亜希子さんの経験をもとに、患者達が社会にもっと溶け込んでいけるよう自立し、訓練に取り組むようにすべきだということをチャウさんは学びました。

日本の聖マリアンナ医科大学病院に6年勤務した亜希子さんによれば、靱帯損傷の患者でも手術の前後には訓練を始めるべきだとのことです。

「私たちはそんなこと聞いたことありませんでした」とチャウさんは話します。

理学療法部のゴーティーライン部長は「彼女はとても勉強家で、真心をもって働いています」と言いました。

彼女は同僚にも気さくで、職場や生活環境にも上手くなじんでいるとのことです。

なぜベトナムを勤務地に選んだのか聞かれると、亜希子さんはベトナムが好きで、医療の質の向上の手助けをしたかったのだと答えました。

「患者さんたちにはより良い治療を受けて、早く治ってほしいのです」と、亜希子さんは話します。

理学療法は、脳梗塞や手術を経験した患者たちにとっても大切ですが、他の症状を抱える患者さんたちの合併症予防の役にも立ちます。

亜希子さんは、「ここは気候的に暑くて、それは苦手ですが、それでもベトナムの病院で働くことが好きです。ここで働けて幸せです」と言いました。

病院では、ベトナム人の同僚達が亜希子さんの職場や生活面での手助けをします。ライン部長は彼女のベトナム語のサポートを行います。亜希子さんはベトナムに来る前にベトナム語の勉強をしてはいましたが、ライン部長のおかげで患者さんたちとのコミュニケーションがより楽になっています。

JICAによると、JOVCプログラムは、技術をもつボランティア達に技術協力を通して新たな発見や何かを作り上げる喜びを経験する機会を提供しているとのことです。

技術協力は、農林水産業、加工業、維持管理、土木工学、公的医療、教育、文化、スポーツの分野で行われています。

このプログラムのボランティア達は20歳から39歳までで、現地に暮らし、地域の人々と働きながら2年間協力活動に従事します。

1995年からJOVCプログラムは500人以上の日本人ボランティアをベトナム各地の省や都市に派遣しています。