医療の官民パートナーシップ拡大に注目

公立の総合病院や診療所では国内の需要に応えらないとして、民間医療部門は医療の官民パートナーシップの拡大を必要としていると、専門家は論じています。

昨年発表された厚労省の報告書によると、国内病床数の15%近くを占める、170以上の総合病院、3万以上の診療所、そのほかの医療施設が民間で運営されているとのことです。

しかし民間医療施設を訪れる患者数は全体のわずか6〜7%でした。

他のアジア諸国での民間病院の病床利用率はインドネシアの民間医療施設で37%、タイでは24%と、ベトナムより高い状態にあると、ベトナム社会医学会会長のファムマインフン博士が協会ウェブサイトで述べました。

ホーチミン市のエクソン国際診療所のヴォースアンソン所長は、政府が民間医療施設に対して優先的、あるいは有用な政策を発行しないため、民間施設は十分な発展を遂げていないと言います。

ソン所長によると、施設に大金を投資した民間病院もあるが、その病院での医療費負担が大きくなってしまったそうです。結局そのような病院の中には閉鎖となったところもあります。

アンクーアン国際総合病院では、薬、人材、その他運営に関わる費用などの支出を賄うほどの利益を出せず、閉鎖となっていしまいました。

患者を呼び込むために、多くの民間医療施設が社会保険の被保険患者を受け入れるという契約に同意しました。被保険患者の民間医療施設での料金が安くなるといものです。

2020年までに国民の90%以上が、健康保険に加入することが見込まれています。

公立病院の医師が勤務後に民間医療施設で働くことを認めるという規則があり、それは民間施設には好ましくないと、ソン所長は付け加えます。

ホアラム国際病院のチュオンヴィンロン事務長はこう言いました。「厚生部門は人材を無駄にしています。」

 

「厚生部門への投資には他の部門よりも高いリスクを伴います。例えば、生産部門での失敗は何とかなるが、厚生部門ではそうはいきません。厚生部門での失敗は大金を支払う必要があります。」

投資家は長期的視野を持ち、「経営維持のためには最初の数年のうちに不要な支出を減らさなくてはなりません。」と、同事務長は述べました。

ロン事務長によると官民パートナーシップは、通常近代的設備が備えられ、プロの運営が行われるため、民間医療施設の発展のカギとなるそうです。

ネームバリューが高まり、腕の良い医師を確保でき、多くの患者が訪れるなどという利点が公立の医療施設にはあります。

民間、および公立の医療施設は互いの強みを活かして共存を図ることができると、ロン事務長は話します。

政府は官民パートナーシップに関する政策と法令を発行しましたが、具体的な運営方法ついての規則が必要です。

民間医療施設は公立病院では特化していなかった分野を発展させるべきだと事務長は述べています。

今年初めに行われた厚生部門の見直しを図る会議では、特に国家財政に限りがあることから、グェンスアンフック首相は民間部門の迅速な発展についての言及がありました。